NGT48 中井りかさんが、AKB48歌唱力No1決定戦第4回大会を辞退なさった件について
理由を邪推する人が結構いるようですが
普通に素直に解釈して、喉の不調でいらっしゃる。と思われます。
りか姫さんは時々喉の痛みを感じて仰っておいででした。
ただ、それはあくまで
「歌唱力No.1決定戦に出る程の本調子では無い」という意味にとどまり、普段の活動には支障が無い範囲である、と、ほぼ断言して良いでしょう。
中高生の音楽部活練習時間
私も中高の部活で少し音楽をやっていた事があります。
都道府県大会クラスで良好な成績を得て地方大会にまで進んだ事もありましたから、割と本格的でした。
それでも年間の「本番」と言える演奏は、
- 年一回のコンクール
- 年一回の定期演奏会
- 年一回の周辺校との合同演奏会
の、3回が基本。これに加えて、臨時の合同演奏会への参加(1曲か2曲)が年1回あるかないか。
うち、コンクールで演奏するのは課題曲と自由曲の2曲です。
「セットリスト」と言えるほどの曲目(楽章等を1曲と数えても、全部で20曲程でしょうか)があるのは、年2回の演奏会だけです。
年3回~4回の演奏会のために、週5~6、1日あたり2時間半ほど練習します。
最大でも40曲前後の発表の為に、約750時間の練習を必要とします。
コンクールに青春をかけるとは言っても、お金貰っている訳ではありません。
プロではない、アマチュアのコンクール・演奏会でも、都道府県大会で受賞するレベルに達するには、それだけ練習が必要だという事です。
AKBGの過酷な練習時間
AKBGは劇場を持っており、日常的に公演を開いています。
本番が多い事は恵まれてもいますが、反面、練習時間はその分短くなります。
AKBGのメンバー達は、
- 歌
- 踊り
- 喋り
- SHOWROOM等の配信
- 握手会(コロナ禍ではお喋り会)
といった仕事をこなしながら、当然、練習にも時間を費やしています。
その時間は、歌・踊り・喋りの全てに対し必要です。
私は中高時代の音楽の部活でさえ、時にさぼるほど(反省しています…)キツかったというのに…
10代後半~20代の彼女達は、歌って踊って喋って配信やって握手・お喋り会しているわけです。
しかも在学中のメンバーは学業もセットです。
…ちゃんと休めているのでしょうか(?_?;)
練習も仕事です
アスリート、将棋・囲碁の棋士にとって、練習(勉強)が仕事の一つであるように
アイドルにとっても、歌・踊りの練習が仕事の一つです。
その「労働量」まで想いを致せるファンでありたいと願います。
ちなみに「K-POPに比べて日本のアイドルはレベルが低い」などと言われたりしますが、そのK-POPでは過労がしばしば問題になっている事も指摘しておきます。
ある種の搾取と言える危惧すらある。
NiziUメンバー「過労」危惧 朝3時にスタジオ入り・1日10時間のレッスン - 趣味女子を応援するメディア「めるも」
私はAKBGアイドルに
「韓流アイドルのように1日10時間レッスンして、過労とか鬱になってでもクオリティを上げるべきだ」
などという非情は申せませんし、申すべきでもないと考えます。
中井りかさんの労働時間を想う
しかも中井りかさんは、劇場での仕事に加えて
- テレビ出演(全国地上波は若干減りましたが、地元富山県での仕事はむしろ増えています)
- アパレルブランド「Recandy」の立ち上げ
- CloudyCloudyのプロデュース
までなさっています。最近ブログも始められました。
…正直、十分に休めておいでなのだろうか…?というのが心配でした。
元々りか姫さんはお身体が(病弱ではないにせよ)頑健、という方ではいらっしゃいません。
御本人が時々「ひまだ」「ニートか!?」とか仰るのは…
私は「3、4日くらいは暇な時も1度2度はお有りだったでしょうが、一般人が思うような『ニートのような暇』では無い。半分フィクションだろう」と思っていました。
どう必要時間を考えても「ニート並に暇」という計算結果は出て来ません。
これに加えて、「歌唱力決定戦出場への意向!」が伝えられた時…
私は正直、内心、「…大丈夫でいらっしゃるのだろうか…」と心配しました…
歌うのが1曲か2曲か分かりませんが、出る以上、プロとして最善の状態で仕上げて出場する事が求められます。
1曲か2曲を5分か10分で歌ってお仕舞、じゃないんです。
その5分か10分の為に、最低でも何時間、最大何十時間の練習が、「プラスで」求められるでしょう。
喉に負担のかかるJPOP(ポピュラー音楽)
JPOPに限らずポピュラー音楽全般に言える事ですが…
JPOPは、学校のコンクールで歌われる合唱曲に比べて、遥かに高音の音程を要求されます。
普段の話し声の1オクターブ以上、人によっては1オクターブ半上の音で、当り前に歌う事が求められます。
この「高音インフレ化現象」には私は常日頃問題を感じていて…
アルトやバスといった低音の適性を持つアイドルの喉が壊されているのではと常日頃懸念しているのですが(これはアイドルに興味を持つ以前の2018年以前からの疑問と懸念でした)
トレーナー
しかも発声練習に日常的にボイストレーナーがつけられているわけではないようです。
ダンスの先生はつけられているようですが。
ボイストレーナーが居ると居ないとでは、喉に負担の少ない呼吸の方法を学べるかが全く違います。
月に1度、ボイストレーナーがつくだけで全く変わるのですが…
りか姫さんにボイストレーナーが定期的についているかどうかは分かりませんが、AKBGの現状を見ると、その点も心配です。
ポピュラー音楽歌唱の練習量をむやみにボイストレーナー無しに増やすと、喉を壊す危険性は低くありません。
素人がカラオケで週に1,2度、1時間歌う、とかではないのです。
喉に少しでも不調を感じたら、練習量をコントロールするのはごく当然で、正当な判断です。
仮に運営や事務所が、不調を訴える本人の意見を無視して出場強要し、喉を壊したなどとなったら、洒落になりません。
道義的問題のみならず、損害賠償責任まで話は及ぶでしょう。
まとめ
- 音楽の練習量は、本番の数十倍に及ぶ
- ましてプロであり、その内容は多岐に亘る
- 中井りかさんの現在の御多忙ぶりを考えれば、練習量積み増しは過労の危険がある
- JPOP(に限らずポピュラー音楽歌唱全般が)は、自然な会話の音程よりも遥かに高く、喉に多大な負荷がかかる
- 定期的トレーナーが不在のままだと、喉に負担の少ない発声法の獲得は不可能に近い(りか姫さんにトレーナーがいるかどうかは不明)
- 少しでも不調を感じたら、多大な練習量がかかるコンクールの類は辞退するのは適切な判断(仮に本人の不調にかかわらず事務所・運営が出演を強要したら、むしろ大問題)
補足
ではなぜ「歌唱力決定戦に出るほどには余力が無いと判断したため」と文章で発表されないかと言えば…
- 過度に不安を呼ぶのを避ける為
という所かと思います。
音楽をやった事の無い人には、「1個、本番ないしコンクールが増える背景に、練習時間がどれ位増えるのか」という実感が乏しく、長文の説明が必要になるでしょう。
実際これだけの長文が必要なわけです。
プロのアイドルグループとして、「練習時間にこれだけを割いています」と公言するのも(方法もゼロではないにせよ)やりにくいでしょう。
ファン側が、推しの体調と労働時間を気遣える世界でありたいと願っています。