冒頭の画像は、画像内の説明文の通り、NGT48のD2・1期生(まとめて1期生と呼ばれる)につけられた誕生日のツイートに対してつけられた「いいね」の数である。
個々のメンバーのデータも手許にあるが、あえてD2期生の二人(荻野由佳氏と西潟茉莉奈氏)だけを入れ、他は入れていない。
なお、西潟茉莉奈氏の2019年の「0」は、誕生日のツイート自体が無かったためであり、平均値計算の分母にも分子にも入れていない。
西潟茉莉奈氏がツイッターを再開したのは2020年7月23日であり、それまで西潟氏は1年半ほどツイッターを自粛していた。
誕生日いいねの意味
「いいね」は、グループのファン数には比例しない。
例えば複数のメンバーを応援している者や、「推しではないけど、グループのメンバーは祝福したい」という人が、複数いいねをつける事は、DDに限らずよくある。
従って「いいね」の数からファンの人数を測る事は難しい。
例えばDD1000人、単推し1000人のファンが居ると仮想した場合
極端に言えば
DD1000人が去って単推し1000人が残ったら、ファンは2分の1になるが、いいねをつけまくっていたDDが居なくなるため、いいね数は激減する。
単推し1000人が去り、DD1000人が残ったら、ファンは同じく2分の1だが、いいねをつけまくるDDは残っているため、いいね数は僅かに減るにとどまる。
こうした性質があるため、あくまで「ファンの人数を示すものではない」事には注意が要る。
増えても減っても、それが「ファン数の増減」を直接示すものではない。
しかしながら「ライトファンの熱量」を測る指標としては、使えなくも無いと私は考えている。
なお、西潟茉莉奈氏は、握手会関連のイベントでは圧倒的な強さを誇る。
だがライトファン数は平均値を下回るであろうことを、西潟氏のツイッターフォロワー数といいね数は示唆している。
2018年と2019年
2018年から2019年にかけて、2019年1月8日露見の暴行事件を受けて当然のように減少しているように見えるが、これは観察が難しい。
ツイッターを全D2・1期生メンバーが始めたのが2018年半ばであり、2018年の誕生日データが無いD2・1期生メンバーも多数いる(データをとった12名中、2018年のデータがあるのは4名のみ)。
そしてその4名は元々安定して多数のライトファンがいると目されるメンバーであり、平均値も高く出やすい。
従って2019年の「平均値」が減ったように見えても、それは「元々そこまで多くのファンがいなかったメンバーが参入して平均値を下げた」のか、それとも「事件の影響で減った」のかは定かでは無い。
ただ、2019年2月16日には荻野由佳氏がダントツで1万7千台のいいねを獲得しており、これが平均値を大きく引き上げる方向に作用したのを考えると、2019年の全D2・1期生メンバーの平均値も甘く見える数字では無かった。
2019年から2020年
客観的な比較が容易で、深刻だったのは2019年から2020年にかけてである。
D2・1期生が獲得したいいね数の平均値は、グループ全体のライトファンの熱量が、ほぼ半減した事を示している。
熱量の減少が、一瞬のショックで終わらず、漸減という形であった事を示唆している。
この事は、NGT48ファンに留まった人の言動を僅かに私が認知していた体感とも一致する。
D3・2期生
D3・2期生の誕生日いいね数はどうかと言えば、おしなべて微増傾向にある。
だが実は、その4分の3が、1期生の全員(全員である)の誕生日いいね数に届かないのが現状である。
もし仮に、D3・2期生まで含めて「誕生日いいね平均値グラフ」を作ったら、D3・2期生全員がツイッターを始めた2021年の平均値は、大きく下がる。
失望し、熱量が削がれたファン
2019年から2021年にかけて、NGT48ファンが失望し、ライトファンの熱量が徐々に削がれていった。
D3・2期生の本格的参入も、その熱量減少を補えていない。
NGT48暴行事件の露見でショックで一気に離れた人達も確かにいただろう。
だがそれに加えて、「徐々に去って行ったファンもいた」のではないか。
少なくとも「誕生日いいね数」に示された熱量は、それを示唆している。
メンバーは分かっているはず
NGT48メンバー達は、ツイッターやSHOWROOMの視聴者数などで、私などに指摘されずとも危機感がある筈である(無かったら相当まずい)。
「誰々さんが来なくなった」
「誰々さんを最近見ない」
「いいねの数が減った」
といった事に、プロなら簡単に気付いている筈である。
一般人だってツイッターでのいいねの数やフォロワー数の増減には一喜一憂するのに、彼女達がそれに気付かないなどという事は有り得ない。
運営は分かって無いのでは?
だがNGT48運営(Sproot、Flora)が気付いているかは、微妙だと思う。
誕生日いいねでは平均値を下回る西潟茉莉奈氏が「CD握手券の稼ぎ頭」として独走状態である事を見れば、「売上」という数字を根拠に、
「このまま2018年までのやり方を踏襲して突っ走れる、それをファンも求めているのだ、確かに漸減はしているが、もつ」
と考えてもおかしくない。
レコード会社も同様である。
だが彼らは、アイドルグループが直接課金する層からだけ成るわけではない事を、どこまで認識しているのだろうか。
仮にキャバクラなら、直接課金する客だけを考えれば良い。
だがアイドルグループは、テレビに出た時に「この人可愛い」「この人面白い」と思われ、課金しない人からも好感を得なければ成り立たない。
アンチAKBGの人が言うほど、AKBGはキャバクラではない。収益構造がそう単純ではない。
「課金しない人」「そこまで重課金しているわけではない人」
まさにそれこそが、スポンサーが訴求したい相手だからである。
アイドルに直接高額な課金をするファンというのは、スポンサーが物を売る余地は乏しい。
握手券やグッズに可処分所得が消えてしまっているから。
広告会社・企業は、どちらを使いたいと考えるであろうか。
断っておくが、私は上記1番が不要だと言っているわけではない。
ただ2を発展させるためには、最低限するべき事があるのではないかという話である。
そしてポートフォリオの発想で、1と2をバランス良く発展させようと考えるのが、投資家としては普通の類型では無いかと私は思う。
そうではありませんか、Sproot渡辺洋行社長。